うに°うに°ぷにぷに別宅

こちらは、うに°うに°ぷにぷにZ の別宅になります。

2019年04月28日

前記事の計算結果は、お地蔵様のお力でもお借りして適当に検証して終了にするつもりだったが、今日(この日付、2019.4.28)外に出てみたら、早朝が寒かったせいか4月であるというのに遠景の眺望がやたらに良い。これは是非、山が見えるうちに実地検証をするべきではないか。海軍道路沿いからの富士大山の眺望の実際を見てみるのである。

というわけで、なめこさんはくるっと行き先を変更して(どこ行くつもりだったんだ?)瀬谷へ向かうことにした。
また瀬谷かよっ!と内心忸怩たるもののあるなめこさんであるが(いやなのか?)、途中のどかな横浜の田舎の風景を見てもっこり、いやほっこりするのであった。(もっこりしてどうする!?)
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と思ったのもつかの間、怒!
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元上瀬谷通信施設内がうまく通行できないので、一旦例の旧16号に回らないと行けないのである。
ってか誰だよ!?ここの渋滞が劇的に消滅したとか適当こいてた奴は!(あんただろ!まあ連休2日めですしね

そんなわけで、海軍道路北側から南方向へ富士大山の眺望を検証していくことにする。
KRoad-0
(地理院地図を加工)

まずは地点1海軍道路から環状4号が分岐したところ、環状4号側からの画像である。前方左右に見えている道路が海軍道路である。
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ばっちし富士山も見えている。大山の右側に頂上が見えるのは想定通り。
FO1
南へ進めば、両山の頂上はだんだん接近するはずである。

地点2地点1から200mほど、環状4号桜のトンネルを抜け出てカーブし始めるところ。
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富士山と、大山と右端の塔ノ岳の中間にうにっと突き出ている山(西沢ノ頭?:参考地図)との位置関係の変化にご着目いただきたい。
FO2

地点3地点2からさらに200mほどのところ。
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桜トンネル桜さんたち。既にお花は影も形もない。
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地点4地点3から250m弱、上瀬谷小東側交差点の少し北側。
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だいぶ両山頂は接近してきているが、富士山はまだしっかりと見えている。

地点5地点4から300mほど南下、お花見になると開放される広場のゲート前。
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少し北へずれてはいるが、以下のなめ蔵さんのご指摘の画像とほぼ同じ場所である。
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ってしっかり富士山見えてんじゃねーかよっ!(なめこさん、こらこら)
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そんなわけで、前回の画像の位置で富士山が見えないのはあくまでも天候のせいで、なめ蔵の野郎が適当こいた(笑)山の重なりによるものではなかったのである。
うー。うー。。。(あ。生きてる)
だがそれは、前々回地図で示したように両山の方向がずれているためであり、実際に重なっているところに行けば、前記事の計算通り、そしてここまでの画像で明らかに富士山大山よりも低く見えていることにより、富士山大山の陰に隠れるはずである。
KRoad-1
(地理院地図を加工)

そのポイントを目指して先に進もう。

地点6地点5から250mほど南下。
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以下、拡大画像はさらに倍に拡大する。
FO6
大山の右肩にごしゃごしゃしている白いのが富士山頂であるが、肉眼ではもっとはっきり見える。ごしゃごしゃはiPhone6の解像度の限界であるということでご容赦いただきたい。

地点7地点6から100mほど、桜のトンネル入口(北からだと出口)付近。
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重なりポイントを見出すため、意図的に観測地点の間隔を短くして、小刻みに観測しようと思っていたのだが、瀬谷といえどもこの辺りから急に都市化の波が押し寄せていて、西側の見通しが悪くなってくる。(今一瞬瀬谷をDisっただろ)

消防署。あの上からならよく見えるだろうなあ。。。
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帰りにネギ買ってかなきゃ。(笑)
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なんか色々邪魔していてなかなか見えない。
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この先、道路の左右は完全に宅地化している。瀬谷といえども(瀬谷をDisるの禁止!

地点8。先程の桜のトンネルから450mほど、瀬谷西高校前の交差点の少し先(南側)に、ようやく山が見通せる隙間があった。
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画像ではほとんどわからないが、わずかながら富士の先っちょが見えている。
FO8

地点9地点8から350mほど。自動車販売店の駐車場、案内の方が立っていらっしゃたが、なめこさんはかまわずカシャッ。お仕事中すみません。
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富士山頂はほぼ見えない。この辺りが、富士山大山がほぼ重なっているポイントであるとしちゃって良いだろう。
FO9
KRoad-2
(地理院地図を加工)

地点10地点9から100m強、立体交差になっている橋の上から。
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努力の甲斐があって(何の努力だ?)少しだけ左側に富士山頂が顔を出し始めた。
FO10

地点11。さらに250mほど。路地の隙間から山が見えるのだが、そこにおいてある自販機になめこさんの天敵(笑)女子中学生らしきものどもが2名ほど貼り付いていて、とても写真を撮れそうもない。仕方がないので、口笛を吹きながらさりげなく路地の奥に進みカシャッ。(いや、それ十分怪しいぞ)
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富士山は順調に出現中。
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地点12。JCポイント(はい?)から250m弱、例の瀬谷中前交差点の少し先(南側)レストランの駐車場。
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もっとどーんと富士が現れてくるところまで追跡しようかと思っていたのだが、この分だとまだまだ先である。それに瀬谷と言えども住宅が建て込んでいて山が見える隙間を探すのもだんだん面倒になってきた。
この少し先に相鉄の踏切がある。そこからなら山がよく見えるはずだ。そこで写真を撮影して、この記事を終わろう。

地点12から200mほどの、踏切だが。。。
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。。。。。。
邪魔だ歩道橋。(笑)

まあ良い。あの歩道橋に上って撮れば良いのである。
なんか路地をぐるぐると回って、歩道橋を上る。
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地点13
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おおお。陰から富士山がこっそりとこっちをじっと覗いている感がなかなか良い。(笑) 
FO13
KRoad-3
(地理院地図を加工)

既に海軍道路の区間からは出てしまっているが、一応これで海軍道路からの富士大山の眺望の観測は終わりである。(お疲れ)

家から出てから瀬谷へ行くことを急に思い立ったので、このときは重なりポイント(瀬谷Bとしよう)を把握していなかったのだが、地図上での実際の瀬谷Bはここら辺になる。
KRoad-4
(地理院地図を加工)

その場所からは直接大山を望めなかったが、瀬谷Bからほど近い地点9富士が隠れていたことを確認できたので、今回の検証の成果はそれなりにあったとしてもよいであろう。

瀬谷Bより富士に向かって引いたライン上は、確実に富士大山の陰になって「見えない」ポイントである。また、同じライン上を後ろへ下がれば、大山の頂上から徐々に富士山頂が現れるという不思議な風景を見ることができる。
地理院地図を切り出した固定画像だとサイズの問題があるので、同じラインをGoogleMap上に引いたものを以下に埋め込んでおく。GoogleMapをフルにご覧になりたい方は、右上の四角いボタンをクリックしていただきたい。


富士に向かって前方に関しては、さがみ野駅新相模大橋などがビューポイントになりそうである。ビューポイントと言っても、富士山の方は見えないのだが。。。
一方後ろへ下がった場合については、鶴ヶ峰の尾根緑道や、いくつかの高台を経て鶴見の総持寺などがこのライン上にあり、一応千葉県の銚子付近までラインは引いてある。そんなところで見えんのかよ、とお思いの方もいらっしゃるだろうが、ご安心めされ。銚子でも余裕で富士は拝めるのだ。(あんまりバックしても、大山がちっちゃくなるだけであまり意味はないのだが。。。)

いずれまた涼しくなって山の見通しが良くなったら、千葉は無理かもしれないが近場のこのライン上のポイントで両山観察ツアーでもやってみよう。半年待て!(いやだから待てない)

あ、電車が来た。
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つづく?

さてその、地球が丸い場合の離れた距離にある山の見かけの高さの計算方法だが、これがさぱ〜り ┐(^^)┌わからない。検索しても、ピタゴラス先生のお知恵を拝借すれば小学生でも解けるような「地平線はどこまで見えますか?」的な緩い問題の計算はいくらでも出てくるが、こちらの計算方法は情弱の私には見つけられなかった。
これは自力で解くしかない。

からd離れた0にある高さbの山の見かけの高さは、での接線とまでの直線との角度αになる。
Earth1
dは曲面上の距離だが、地球の半径Rを持ってきて角度θを使えばなんとかなるだろう。

うーむ。。。。。。

なめこさんは当初、すっかり忘却の彼方にあった余弦定理をネット上でたまたま見つけて、あっちこっちの角度を入れ込めばいいや、とお気楽にアプローチしていつものように(笑)どツボにはまった。単純かと思っていた式が、代入したり展開したりしているうちに、油断しているとまたたくまにsin、cosの嵐になるのである。
そういえば思い出したが、なめこさんがかつてまだ学業に勤しんでいた頃、板書で問題を解いていた人がsec xを繰り返し書いているうちに混乱が生じたのか、cの部分がいつの間にとんでもないこと♪になってしまっていた場面を目撃したことがある。それほど三角関数の計算は恐ろしいのだっ!(意味がわからない)
sin、cosの嵐に収拾をつけようとして、加法定理だか何だか定理だかを持ち込むとさらに事態が悪化する。sinとcosの量が倍増するのである!なんと恐ろしい。。。(笑)
もう何十年も真面目に計算とかしたことがないから、式を整理するノウハウがまったくわからないのである。

余弦定理なんぞを使って、ダイレクトに角度を求めようとするからいけないのだ。基本に立ち返り、tanαを計算することを考えよう。

2,3補助線を引いてみる。
Earth2
からB’までの距離をB’からまでの距離(見かけの高さ)をkとすれば、k / lが求めるべきtanαとなる。

R地球の半径hbの標高とすれば、
  l = (R + hb)sinθ
そして
  m = (R + hb)cosθ
なのでからの地平線上に見える部分の高さk
  k = m - R = (R + hb)cosθ - R
ということになる。

これ以上式をいじるとまたどツボにはまるので、まずはここで一旦、前記事のデータの表から大山富士山lkを計算しておこう。

   距離d 標高hb
大山 23195 1252
富士山 69129 3727.9

お気づきかと思うが、この段階での標高を考慮していない。それは後で対応する。

その前に必要となるのが地球の半径Rだが、ここは国土地理院の掲げている数値を使用する。
  R = 6378137
地球が楕円体だとかそういうめんどくさいことはここでは考えない。

各距離dに関して
  θ = d / R
を計算すると、

   距離d θ 標高hb
大山 23195 0.003637 1252
富士山 69129 0.010838 3727.9

有効桁数の概念とかはM教授(誰だよ?)にみっちり仕込まれたはずだが、その辺も適当である。(M教授に謝れ!)

次にR + hbはいずれの計算にも使用するのでこれも求めておく。

   距離d θ 標高hb R+hb
大山 23195 0.003637 1252 6379389.0
富士山 69129 0.010838 3727.9 6381864.9

いよいよlkの計算である。
  l = (R + hb)sinθ
  k = (R + hb)cosθ - R
θが小さければ、sinθcosθの近似ができそうだが、その説明と有効性の検証が面倒なのでバカ正直に計算することにする。

   距離d θ 標高hb R+hb l k
大山 23195 0.003637 1252 6379389.0 23202 1209.8
富士山 69129 0.010838 3727.9 6381864.9 69165 3353.1

kはそれぞれから見た地平線上の高さということになるが、それらは実際の高さよりも、大山:42.2m、富士山:374.8m低い。これは地球が丸いことにより、地平線の下に沈み込んでいる高さということになる。数十kmレベルの距離でも地球の丸さを無視してはいけないのである。

地平線下の沈み込みを確認するため、ここまではの標高を0としてきたが、あらためて瀬谷Aの標高67.7を計算に組み入れよう。難しいことではない。B'の地平線を上に平行移動させるだけである。(注:平行移動後のB'は厳密には地平線ではない場合があるが、山頂までの角度の計算上は問題ないはずである)
Earth3
標高haから見たB'からの高さをk'とすれば、
  k' = k - ha
それぞれについて計算すると、

   距離d θ 標高hb R+hb l k k'
瀬谷A - - ha)67.7   - - 0.0
大山 23195 0.003637 1252 6379389.0 23202 1209.8 1142.1
富士山 69129 0.010838 3727.9 6381864.9 69165 3353.1 3285.4

いよいよ
  tanα = k' / l 
を求めてみよう。

まずは大山
  tanα = 1142.1 / 23202 = 0.04922

次に富士山
  tanα = 3285.4 / 69165 = 0.04750

勝った!(何がだよ)

   距離d θ 標高hb R+hb l k k' tanα
瀬谷A - - ha)67.7   - - 0.0 -
大山 23195 0.003637 1252 6379389.0 23202 1209.8 1142.1 0.04922
富士山 69129 0.010838 3727.9 6381864.9 69165 3353.1 3285.4 0.04750

富士山の方が大山よりもtanα が小さい。角度で換算すると、今度は大山の3%ほど富士山が低いということになる。
これは富士山頂と大山山頂が重なって見える場合、手前の大山富士山が隠される可能性があるということである。

だが実際はどうだろう。瀬谷Aの位置の場合、前記事の図で示したとおり、両山頂は完全には重なっていない。多少向こう側にいる富士山が低かろうが、単に天候の関係で見えなかっただけの可能性もあるのだ。
まだまだなめ蔵さんの無念は晴らせない。(だから本当に死んだのか?)

富士山の最高点、剣ヶ峯の計算をごまかしていたが、念のためここで計算しておこう。
  剣ヶ峯までの距離:69809m
  剣ヶ峯の標高:ご存知!3776m
  θ = 69809/6378137 = 0.010945
  R + hb = 6378137 + 3776  = 6381913
  l = 6381913 x sin(0.010945) = 69849
  k = 6381913 x cos(0.010945) - 6378173 = 3393.7
  k' = 3393.7 - 67.7 = 3326.0
  tanα = 3326.0 / 69849 = 0.04762

まあこちらも似たような値で、大山よりも小さい。もしも大山とぴったり重なっていた場合、剣ヶ峯の先っちょだけ飛び出しているという可能性はないだろうということになる。

実地篇へつづく

さてここでお便りをご紹介しよう。(お便り?)
横浜市在住のうになめ蔵さんからである。(聞いたような名前だな)
か、海軍道路からの富士は、て、手前の大山に重なって、、、、、、見えぬのではないかーっ!?(がくっ)(←なぜ死ぬ?)
。。。。。。
はい?(あんたがはい?ゆーな!)

例の海軍道路の記事に関してである。該当箇所を引用しよう。
やはり今日も富士山は見えない。大山丹沢は薄っすらと見えるのだが。
IMG_7836

富士山から海軍道路の上記の地点にざっくりとラインを引いてみると、確かにほぼそのライン上に大山の頂上が存在する。
KFujiOyama
(地理院地図を加工)

大山の部分を拡大すれば多少はずれているようだが、
KOyama1
(地理院地図を加工)

両山頂がほぼ重なって見えることは間違いない。だがあの、頭を雲の上に出す♪雄大な富士のことだ。大山の山頂の後ろにその頭をひょっこり出している可能性もある。
死んでしまったなめ蔵さん(やっぱ死んだのかよ)の無念を晴らすため、自称理系のなめこさんが詳しく検証してみよう。

それぞれの山の見かけの高さを得るため、両山頂付近から上記の地点まで改めて直線を引いて、いつものようにタンジェント計算をしてみる。
まずは上記画像の撮影地点、これを瀬谷A(以下の地図の印)とする。
Kamiseya0
(地理院地図を加工)

次に大山だが、1248mの三角点の左側の1252mの標高点、こちらを山頂としよう。
KOyama2
(地理院地図を加工)<

そして富士山、これは迷ったのだが、瀬谷Aから見て左奥の最高点、3776mの剣ヶ峯ではなく、真ん中の噴火口の部分の方がビジュアル的に頂上であろうということで、その手前で一番高そうなところを「頂上」とみなすことにした。
KFuji1
(地理院地図を加工)

地理院地図から取得した各ポイントのデータを以下の表にまとめる。

   距離(m) 標高(m)
瀬谷A - 67.7
大山 23195 1252
富士山 69129 3727.9

各山の見かけの高さを地平線と山頂の間の角度とαすれば、山の高さ(山の標高−現在地の標高)を山頂までの距離で割ればtanαを求めることができる。
それぞれを計算すると、
大山
(1252 - 67.7) ÷ 23196 = 0.05106
富士山
(3727.9 - 67.7) ÷ 69129 = 0.05295

結果、富士が見えていれば、ずれている分大山の右肩からちょっとだけ見えていることになる(角度換算で大山の4%程度高い)。だとすると残念ながら、なめ蔵さんの死は無駄になることになる。(笑)

だがこの計算では地球が丸いことを考慮していない。今までの計算では横浜市内と三浦半島程度(例えばこれ)の距離であったので平面での計算を行っていたが、さすがにこの距離では地球の曲面性は無視し得ないのではないだろうか。もしかして富士大山よりも見かけの高さが低ければ、山頂の多少のズレはあっても大山の陰に隠れた結果見えない可能性もある。

机上篇(下)へつづく

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